星の光芒。
羽生善治さんが十九世名人の資格を得たことを聞き、思い出した本。
それにしても羽生さんに関するインタビュー相手に、茂木健一郎や小川洋子を選ぶあたり、毎日新聞はいいセンスしてる。

天才、という人たちはアルビノの動物みたいだと思ったことがある。
他が持ち得ぬものを手にした代わりに、原種の強さを無くしてしまう。
その分野における神様みたいな人たちの多くが、早くに逝ってしまうことの理由を知りたくて、6年ほど前から考え続けている。

棋士・村山聖もそんな天才の1人だ。
難病であるネフローゼを抱え、最期は癌で亡くなってしまった。29歳だった。
よく言われる例えだけれど、人の命は星の輝きとよく似ている。
持ち得る熱量が同じである以上、激しく光る星ほど寿命は短い。
それでも、燃え尽きた後も記憶に残る人々を、天才だと言うのだろう。
何億光年と離れた星の光が、星自体が消えても地球に届くように、光すら届かなくなっても、まぶたの裏に焼き付いて明滅し続けるように、村山聖という将棋の天才の名前は語られていく。
そして、凡人の私はその光に憧れてしまう。
その一瞬の輝かしい光芒に。哀しいくらいに短い、その瞬きに。


伝記や歴史書なんかを調べていると、無意識のうちに「この人は○○歳で死んだのか」と計算してしまいます。史実上に残るような天才って、ものすごく早死にしているか、ものすごく長生きしてるかの、両極端な人が多いような気がします。画家で言えばピカソやシャガールなんかは長生きしてるけど、ラファエロやゴッホは短命だし。作家で言えば太宰や芥川は若いうちに自殺しているけど、井伏鱒二や谷川俊太郎、まどみちおはものすごい長命の上に創作意欲がすさまじい。(後の二人はご存命です。)なんなんだろう…やっぱ性格の問題だろうか。

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